「守・破・離」
(しゅ・は・り)




この言葉は、英語の講師をしていた時に
尊敬していた先輩の先生が教えてくれたのですが、
『物事を学び始めてから、独り立ちしていくまでの三つの段階』をあらわしています。
もとは、世阿弥の『風姿花伝』にある言葉です。



まず模範となるものを真似することから始まり…「守」
そこに自分なりの工夫を加えて試行錯誤をし、もとの形を少しずつ打ち破っていき…「破」、
最後には、完全に模倣していたものから離れて、独自の世界を創り上げる…「離」



この言葉は、
何かを学び始めた人を勇気付け
既に腕のある人には…さらに力を与え、
そして、極めつつものがある人には、
本物のプロフェッショナルへと導く言葉だと思います。









何かを身に付けたいと思ったとき、
まず最初に大切なのは、
『自分の心が動かされるもの、見本となるもの…を見つけること』 だと、
これは、当時の先生に言われたことなのですが、
憧れが見つかるだけで、「何をしたらいいか分からない…」という段階から
具体的にすべきことがわかり、かなり前進できるようになります。
その雰囲気、姿勢、技術を『真似』することで、
「自分がこうありたい」と思う方向性に、着実に近づいていくことができます。
基本的な技術の習得…「守」の段階です。




そして、
この段階は、誰でも「これでいいものか」と不安になりやすいものですが、
「模倣も大切な学びの1つ」
ここで小さなことを疎かにせず、大切に練習できる人が、
最終的に伸びていくような気がします。




「真似る」ことが出来るようになった頃には、
いつの間にか…「余力」が生まれてきています。
自分自身にも「技術」が身につき、
経験も伴い、自分なりの工夫や試行錯誤をする「力」が生まれ、
「破」の段階に入ります。



人間には、誰にでも自分なりの好みが必ずあるように思います。
好きなものは、ますます続けて経験を積むので、
自ずと「自分らしさ」というものも出てくるような気がします。



最初は、素敵だと思っていた見本でさえも、
自分もそのレベルのことが出来るようになると、
その当時のものは、
あっという間に色褪せて…
今度は、自分の色を加えたものを生み出したくなります。


それまでに、
きちんと努力をし、センスを磨き、感性を大切にされてきた方は、
独自の世界が、
気がついたら…築けている状態だと思います。


例えば、本の通りに作品を作られても、
「本よりもずっと魅力的」に仕上げられる方がいます。
本のエッセンスにプラス、
常に自分のアイディアを加え、上手にまとめ上げることも
類まれな才能で、
「その人にしか出来ない独自の世界」だと思います。

きっと、これをまっとうし続けていくと、
完全にオリジナルの世界…「離」へ到達するのだと思いますが、
これは、まだ全く未知の世界で、想像の域です。
今後、一生をかけて、到達したい境地…
『何か1つでいい…』
職人道を極められたら…本望です。









「守・破・離」から感じる…2つの大切なこと。

1つは、「守」から始まるのは、とても自然であること。
大切な段階。
そして、もう1つは、腕がついてきたら、
最終的には、それまで真似てきたものを『超えて離れていく努力をすること』
これが、その道を歩く者の『礼儀』であり、
…プロフェッショナルと言われる所に立てる人たちの流儀のような気がしました。




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