第四章 『 検証…耐洗濯性 』




 ハンドメイドのピコの方法には、何が要求されるのか…
@1つのピコを作るのに手間がかかりすぎないこと
A耐洗濯性があり、すくって束ねた『1つのピコ』がはずれないこと
B隣のピコとの連携が上手くいっていること

少なくとも、この三つをクリアしなければ、
みなさんに発表することはできない、と考えていました。
机上の理論を いかにして実用に持っていくか、
ここが思っていた以上に高いハードルでした。


手縫いでするとなれば、
その縫い方は、 何か本に載っているものではないのかもしれない。
自分でやってみて、 お洗濯して丈夫で、見た目にも美しければ
それでいい…そんな風に吹っ切れた時に、
色々と本で見てきたことは忘れて、ただ結ぶことをしてみました。
しかし、それだけでは、
やはり隣のピコとの連携が上手くいかず、駄目でした。
そこで今度は、
momoさんから教えていただいたヘムステッチをまず行って、
その上で、ひと手間…『結ぶ』ということを加えてみました。

これが、思わず声をあげたぐらい、はっとするものでした。
指で思いっきり引っ張ってもずれることなく、 いい予感がありました。
いけるかもしれない…

今度は最初から、 洗濯機にいれて、他の衣類とあわせて、
ぐるぐる回してみました。
生地を縫い付けて大きくしたものも実験してみて、
そのままの状態であることが確認できました。
勿論、その時点では、 まだ検証しなければいけない点はありましたが、
ひとまず、やっとできた…そんな気がしました。
とんでもない縫い方なのかもしれない…
でも、端を三つ折りせずとも、巻きロックしなくても
そのまま『端を見せられる装飾』として使うことが出来るのあれば…
端のほつれやすいガーゼには、 とても意味のあることのような気がしました。
『ピコ用結びステッチ』が生まれた瞬間でした



トリプルガーゼに施した手縫いピコ

Wガーゼに施した手縫いピコ



【お洗濯に耐えうるものなのか?】

市販のお洋服のピコ部分もそうですが、 『ピコ加工自体デリケートなものです』
かと言って、お洗濯をしてすぐにほつれてしまうものではありません。
事実、1年以上着用しているピコフリルのお洋服は、未だにどこもはずれていません。
少なくともハンドメイドのピコにも、耐久性がなければ実用できないと思っています。

お洗濯をすると、その生地によって、ピコ部分は雰囲気を変えます。
綿ガーゼの場合には、 水流によってもまれると、
撚りの甘いガーゼ糸は絡み合い、 見た目に、ふわふわふくらんだようになります。
特に、ピコ部分はカットされているため、
お花が咲いたような…小さなボンボン状になります。
実は、これが、
『ガーゼが洗えば洗うほど柔らかくなる理由』でもあるのですが、
生地という視点から『糸』に着目することで、
ピコの耐久性までもが… ここで上がることに気がつきました。
洗濯前と洗濯後の画像です。 見比べてみてください。






この小さなボンボンのように変化したピコ、
これもまた可愛らしく、肌触りがいっそう優しくなっています。
実は、こうなることで、 手縫いピコがより外れにくくなっています。
つまり、
このステッチでは『ひとつ一つ結わえて』あるため、
お洗濯で水にもまれて、 互いに絡み合い広がってくれると、
ピコ部分は、小さなきのこ状になり、 これがひっかかりとなり、
作ったばかりのピコよりも、逆に、 より外れにくくなるのです








そのため、お洋服の縫製が出来上がりましたら、
『ピコ部分に霧吹きで水をたっぷりとかけたり、優しく洗う』 ことをしておくと、
その後、より安定することがわかりました。
チャコを消す意味でも、一石二鳥だと思います。

一度ピコの先がこのようになれば、 細い糸同士が互いに絡み合っていますので、
それ以降のお洗濯では、
ネットに入れて普通コースで実験してきましたが、どれも大丈夫でした。
ただ、デリケートなガーゼとピコの性質を考えると、
より美しく末永くお召しいただくためにも、
『ネットに入れて弱水流、もしくは手洗いをしていただいた方がより安心です』


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ピコの研究発表直前に、momoさんと、お互いの方法を照らし合わせました。
ここまでこられるのに、私以上に、多くの方法を試しておられました。
それも、私には思いつかないようなものばかりでした…


その中に、偶然にも、この方法が入っていました。
そして、それだけのことを試されたmomoさんも、 このピコはよさそう…と思っておられました。
さらに私の検証を見て、
『これなら立証されましたね』と推してくれました。


お互いに、
別々に考えて出た方法論が 最終的に同じということであれば、
方法論としての価値もまた上がります。

しかし、同時に、
それだけ多くのことを試されてきたmomoさんの過程の記事を見て、
私の心の中では、
「もっと色々と検証する時間があれば、
 実は、momoさん考えていた他のピコの方が、ずっといいのかもしれない…
 その可能性は十分に残っている」
 という想いで いっぱいにもなりました。


今後の検証で、
実はこちらの方が丈夫という見解がでてくるかもしれません。
それは、現時点では、私たちにも分かりません。
さらに研究を進め、 生地に合わせて試されたり、
この情報を通して、 また少しでも、何かお役に立てたら…
momoさんも私も、嬉しく思います。




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